2025.05.08
らいおん’s View
Grand bleu /リノベーション記録(最終回)

Grandbleuプロジェクトは廃墟となっていたマンションの一室の内装をほとんど全て撤去して、スケルトン状態にした上で建物に手を加える部分を最低限にして、家具や照明器具と什器などを極力自分たちで作りながら沖縄の自然や文化を感じることのできる空間にすることを目指しました。

らいおん建築事務所の保養所として休暇を快適に過ごせる場所、仕事と仕事の合間に心も身体もリフレッシュできる場所を目指して作りました。

当初、この物件の状態は沖縄特有の湿気や高温などの気候が影響しているため内装にはかなりの劣化が見られました。しかし同時に広々とした空間に秘められたポテンシャルを感じました。

湿気で傷んでいた内装を取り壊して壁紙を丁寧に剥がすと、淡いピンク色に塗られた躯体が現れました。この柔らかいピンクの色合いをそのまま残して活かすことで内装を仕上げることにしました。

沖縄の伝統的な素材や色彩を生かしながら、現代的で、かつ湿気や高温でも傷まないような素材をデザインを取り入れ、「沖縄」を感じられる家具や照明器具をデザインして自作しました。

照明器具はほとんどが自分たちでデザイン・製作しました。できるだけ間接照明とすることで柔らかくて落ち着いた夜を演出するようにしました。やんばるの海に打ち上げられる漁業用の浮きを使ったアーム式ペンダント照明もその一つです。壁面の2枚の作品は中島麦さんが、このリノベーションのために特別に制作してくれたものです。

また真っ白いアートパネルは夜はプロジェクションスクリーンとして利用できるようにしています。

家具にもこだわりが詰まっています。割れたカラフルな琉球ガラスを混ぜ込んだ自作のテラゾデザインのダイニングテーブルやローテーブル。沖縄の風景の模様のファブリックのクッションソファなど、琉球伝統の素材を取り入れることにしています。沖縄の風景を反映したファブリックのソファなど、地元の素材を取り入れることで、沖縄らしさを空間に吹き込みました。椅子はクリアでメタリック素材のデザインのものを選んでいます。