2021.12.15

リノベーション

溝口の保育園

スポーツジムから保育園(認可保育所)へのコンバージョン(用途変更)

リノベーションの設計・工事監理 用途変更の確認申請

 

溝の口保育園は、神奈川県川崎市にある既存のスポーツジムをコンバージョンし、2021年に開園した社会福祉法人つぼみ会が運営する認可保育園です。

保育園とスポーツジムは一見すると全く違う用途ですが、たくさんの人が集まって活動する特性を持っていて空間としてはいくつかの大空間が並んでいるという点で似ていました。

わたしたちの提案は、保育園に必要な機能や快適さ、安全性を重視しながらコスト面や工期に、十分に配慮して、既存のスポーツジムの内装はできるだけ残し使うということでした。

従来の新築の保育園の設計とは異なるミッションが求められます。

 

すでにあるものを単に古いものとして撤去したり、上から新しい内装を施して隠してしまうのでは無く、新しいものと古いものが共存できる方法を模索しています。

自然光が降り注ぐ大きな窓とジムのプールがあった大空間と隣接するダンスホールは、壁を取り払い、大きな家の中で園児がそれぞれ気の向くままに活動ができるような場所として生まれ変わりました。

シャワールームと浴場だったスペースは、内装そのままに夏は園児が置き型のプールで水遊びできる空間なりました。

エントランスはシューズクロークの靴箱やロッカー、受付カウンターなどは、既存家具を利用しつつ、園の雰囲気に合わせてリメイクしています。

言われないと気づかないかもしれませんが、所々にここがかつてスポーツジムであった痕跡を見つけることができます。

空間としては似ていても法規や規制は全く異なります。保育園内部の対応はもちろん、建物全体の改修も必要となり、建物オーナーとの協議も丁寧に進めていきました。

 

大人が汗を流し健康に生きる趣味の場所だったスポーツジムから、子どもたちが日々暮らし育つための明るく活動的な保育園にリノベーションされたこの保育園、子どもたちの笑い声であふれるステキな建物になればと思います。

 

 

社会福祉法人つぼみ会 LIFE SCHOOL 溝ノ口 ウェブサイト
https://lifeschool.jp/publics/index/152/

竣工年:2021年
場所:神奈川県川崎市
用途:保育所
主要構造:RC造
規模:1057m2
撮影:丹下 恵実