2022.04.11
まちを変える
”アカリ” 以降、国見町のネクストステップ(後編)

人口 8,500人程度の福島県国見町に、新しいランドマーク ”アカリ” ができ、地元の方々が自ら学んだり、シチリア料理を楽しんだりする新しい文化拠点が生まれました。ランドマークを得た国見町は、次の展開を考えています。その構想を、一足先に、国見町 企画調整課 主任主査兼総合政策係 係長 木村恒夫さんからご紹介させていただきましょう。

 

“アカリ” によって変わった意識、「壊す」から「活かす」へ

ー ランドマークとしての “アカリ” が軌道にのり、国見町として、次の展開をどのように考えていらっしゃるのでしょうか。

木村さん: この大坂住宅を、段階的に住居付きコワーキングスペースへとリノベーションし、移住促進を図ろうと考えています。

この大坂住宅は、昭和50年に建てられた町営住宅で、老朽化が進んでおり、修繕しないと入居ができない状態です。
全部で 5 棟、合計20世帯が入居できる規模ですが、現在10世帯ほどしか入居いただけていません。空室をリフォームするにも、お金がかかります。また、昭和50年代からライフスタイルも変わっているので、このまま住居として使うには、使いづらいのが現状です。

嶋田:通常こういった場合、取り壊すという発想になるのですか?

木村さん:はい。ですが、取り壊すと、空き地になってしまい、空き地がエリア全体の価値を下げてしまいます。

ただ壊すのではなく、活用したい。
私たちは、これをきっかけに、イノベーションを起こしたいという考えを持っています。

嶋田:”アカリ” の成功事例があるので、使えるものは使おうという発想が生まれつつあるのでしょうか。

木村さん:そうですね、”アカリ” の成功事例が大きいです。
遊休化する公共施設を、次の新しい目的で使いたいと願っています。

嶋田:なるほど。昔の団地は、高度経済成長期で人口が増えた時代に、できるだけ効率的で大量に住居を供給することに意味があったので、一定の規格で作られることが多かった。
今の時代に合わなくなるのは当然のことですよね。

 

山々に囲まれ子育てをしながら働く、新しいライフスタイルへの転換

新しい目的として、テレワークオフィスの案が上がっていますが、どのようにお考えですか?

木村さん:国見町の移住政策は、今まで個人の方を対象にしていたのですが、事業者の方々に来ていただきたいと思っています。事業者の方々が、住みながら、働く場にしていただきたいですね。

嶋田:5棟の内の1棟が、全室空いているので、まずはそれをテレワークオフィスとしてリノベーションしていく予定です。どのような方が、何を求めていらっしゃるのか、ニーズが見えてきたところで他の4棟をリノベーションしていきます。需要が見えてから、段階的に考え、行動に移していくこともポイントですね。

木村さん:はい。また、断熱性を高めたリノベーションも考えています。SDGs の観点からも意識が高まっていますし、住む方のコストも抑えられます。今後、注目されていく時代だと思っています。

ここは、元々「源宗山(げんぞうやま)」と呼ばれ、「源氏の宗家の山」として、とても良い場所なんです。山々が見晴らせる高台に位置し、南向きでとても景観が良く、目の前に小学校があるので、子育て世代にはとても良い場所だと思います。大坂住宅のリノベーションとともに、この場所が、今の時代に合わせて元気になってほしいですね。

ー 大坂住宅は、2022年夏頃からリノベーションを開始します。完成後、改めてご紹介させていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

Photo by Megumi Tange , Text by Motomi Matsumoto