2022.12.16

新築

阿見町の保育園

園児の快適な生活を考えた高気密高断熱の分棟保育園の設計・工事監理

設計・工事監理

 

「阿見町の保育園」は、茨城県稲敷郡阿見町にある3つの園舎と自然溢れる大きな園庭を持つ認可保育園です。

120人定員の保育園を郊外の新興住宅地の一画に整備する計画で、保育園として、安全性、必要な室や面積を確保しつつ、法人の持つ保育理念を表すことのできる建築を目指して設計をしました。

配置計画として、敷地中央に大きな弧を描きながら3分棟に園舎配置しました。

そうすることで園庭と駐車場のセキュリティラインを明確しつつ、3つの園舎の周りをそれぞれ違う特性を持つ庭が囲み、園児たちが年齢・季節によって自分に合った活動ができるような保育園を提案しました。

建築に関して、建設コストを考慮し構造は木造としつつも、中央廊下のコアに鳥居状に柱梁を組み、その先端に登梁をかける弥次郎兵衛構造とすることで、保育室に必要な大きな無柱空間を実現しています。

園児や保護者が登園時に利用する中央廊下では、天井のかたちを、四角形、三角形、丸形とすることで、園児が成長する度に「家」も変化していくことを空間体験として感じれるよう計画しています。

それぞれの棟が大きな家の形をした色の違う外観となることで、法人の保育の考え方である、大きな家の中で保育を行うという理念を形に落とし込んでいます。

保育室の環境では、子どもたちが健康で快適な生活を送れるように断熱性・気密性に配慮して、安全・快適性の断熱基準であるヒート20のG2クラスの性能とC値0.9以下の気密性能を有しています。そうすることで、エアコンなどの空調設備に依存しない温熱環境を実現し、公共的な施設として環境配慮にも努めています。

園庭では、シロツメグサが敷き詰められた大きな園庭ゾーン、アスレチックと既存の木々がある森ゾーン、園舎の間にあるウッドデッキは夏にプールを行うゾーンなど、子どもたちがそれぞれ考えて遊びを決めることができる場所になっています。

この場所に通う子どもたちが、園舎や園庭で駆け回り、元気に育っていくことを願っています。

竣工年:2022年
場所:茨城県稲敷郡阿見町
用途:保育所
主要構造:木造 一部鉄骨造
規模:延べ面積 820.32㎡ 敷地面積 4214.47㎡
撮影:中村 晃 一部らいおん建築事務所